中学受験 算数 / 立体切断の解き方
立体切断の解き方|3原則で解く中学受験算数の立体切断
立体切断は中学受験算数の中でも、頭の中で立体を回せるかどうかで差がつく単元です。立方体や正八面体を平面で切って、切り口がどんな形になるか、切ったあとの体積がいくつになるか――そんな問題が出題されます。最難関校で頻出するため、避けて通れない単元です。(同じ単元は高校受験(公立・私立)の数学でも頻出するので、中学生の方にも本ガイドは使えます。)
一見「センスのいる単元」と思われがちですが、解法の3原則と切断面の形パターンさえおさえれば、出題のほとんどは同じ枠におさまります。このページでは、3原則と形パターンの両方を、中学受験で出る具体例とともに整理します。
なお、本サイトの 3D ツールは、紙の上では見えにくい切り口の姿を、頭の中で再現するための手がかりです。中学受験本番は紙と鉛筆で解く試験なので、3D で感覚をつかんだあとは、紙の上で自分の手で図を描き、補助線を引いて解けるようになるまで反復演習することを必ず行ってください。本問題集には印刷用ワークシートも用意しています。
立体切断の解法・3つの原則
立体切断の問題は、ほぼ次の3つの考え方の組み合わせで解けます。本問題集の解説もすべてこの順番で書いてあり、読みながら自分の手が動かせるようにしています。
- ①
同じ面の上にある2点を直線で結ぶ
立体の同じ面の上に乗っている2点は、その面の上で直接結べます。これが切り口の最初の辺になります。3点のうち2点が同じ面に乗っているケースが大半なので、まず最初に試すべき原則。
- ②
向かい合う面には平行な切り口がつく
立方体は「上下」「左右」「手前と奥」の3組で向かい合っており、それぞれの面どうしには必ず平行な切り口の辺ができます。原則①で引いた直線が乗っている面の向かい側に残った点があれば、最初の直線と平行に引きます。
- ③
立体の外まで延長して交点を見つける
①②だけで切り口が閉じない場合に使います。立体の辺と切断面の辺を立体の外までのばすと、外側で交わる点ができます。これが「大きな三角すいの頂点」になり、その点と元の点を結ぶ直線で新しい切断面の頂点を見つけます。
立方体の切断面の形パターン
立方体を1つの平面で切ったとき、切断面の形は三角形〜六角形の範囲に収まります。出てくる形と出てこない形をあらかじめ知っておくと、答えの形を予想しやすくなります。
| 例 | 辺の数 | 出てくる形 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 三角形正三角形・二等辺三角形・ふつうの三角形 | 正三角形・二等辺三角形・ふつうの三角形 | 原則①だけで閉じる切り口。直角三角形・直角二等辺三角形にはならない。 | |
| 四角形正方形・長方形・ひし形・平行四辺形・台形・等脚台形 | 正方形・長方形・ひし形・平行四辺形・台形・等脚台形 | 面に垂直に切れば長方形・正方形、斜めに切れば平行四辺形・ひし形・台形。向かい合う2組とも平行でないただの四角形にはならない。 | |
| 五角形ふつうの五角形 | ふつうの五角形 | 正五角形にはならない。 | |
| 六角形正六角形・ふつうの六角形 | 正六角形・ふつうの六角形 | 6つの辺の中点をすべて通るときだけ正六角形になる。 |
※ 立方体には向かい合う面が3組あるので、向かい合う2組の辺は必ず平行になります。このため「直角を含む三角形」「正五角形」「向かい合う2組とも平行でないただの四角形」は切断面として出現しません。
体積を求める3つのコツ
切断面の形が分かったあとは「切ったあとの立体の体積」を求める問題が続きます。次の3つのテクニックで大半の問題に対応できます。
① 直接求めやすい形に分ける
三角柱・三角すい・直方体など、体積の公式が直接使える形に切断後の立体を分割して合計します。「分けて足す」が基本。
② 大きな立体から余分を引く
立方体の体積から「切り取られた小さな三角すい・直方体」の体積を引く。「全体から引く」のが楽な場面もあります。原則③で出てくる「大きな三角すい」もこの引き算で計算します。
③ 断頭三角柱の体積公式
「上面が斜めに切られた三角柱」の体積は、底面積 × 3辺の高さの平均で求まります。中学受験では頻出のテクニックで、これを知っているかどうかで難関校レベルの体積問題が解けるかが決まります。
解説の書き方
解説は5〜6年生のお子さんが読むことを前提にしています。ルート(√)や三角比のように中学校以降に習う記法は使わず、小学生にとって馴染みのある言い回しで書いています。
各ステップは「やること」「なぜそうするのか」「注意点」の3つに分かれています。「なぜ」を毎回示すことで、ただ手順を覚えるのではなく、原則の使い方が身につくようになっています。
ただし、3D で形を確認できるだけでは中学受験本番には届きません。本番の試験で点を取るには、最終的には紙の上で自分の手で図を描き、補助線を引いて解く練習が必要です。3D で形をつかんだあとは、必ず印刷用ワークシートを使って、紙の上で同じ問題を解けるようになるまで反復してください。
自分で切ってみる「立体切断シミュレーター」
問題を解くだけでなく、自分の手で点を打って立方体を切ってみることもできます。中点・頂点・好きな比の内分点を選んで、切り口の形が正三角形・正六角形・台形・ひし形…どう変わるかを 3D で確かめられる、無料の立体切断シミュレーターです。
「なんで正六角形になるの?」と気になったときに、点の位置を1つだけ動かしてみると、形が一気に変わるのが見えます。自分で動かして気づいたことは、問題集の解説を読むだけよりずっと強く記憶に残ります。
※ 立体切断シミュレーターも、本問題集と同じく頭の中で切り口を思い浮かべるための足がかりです。中学受験本番は紙と鉛筆で解く試験なので、3D で感覚をつかんだあとは紙の上での演習に必ず移ってください。
🧊✂️ 立体切断シミュレーターを開く →よくある質問(解き方編)
Q. 立体切断の問題は何から考えれば解ける?
まず「3点のうち、同じ面の上にある2点」を探します。あれば原則①でその2点を直線で結びます。同じ面に乗っている2点が無い場合は、原則②(向かい合う面には平行な切り口がつく)を使います。それでも切り口が閉じないときに原則③(立体の外まで延長して交点を作る)を使います。①→②→③の順に試すのが基本です。
Q. 切断面が三角形か四角形(以上)かは何で見分ける?
原則①だけで切り口が閉じれば三角形になります。原則①と②(向かい合う面の平行な切り口)を組み合わせる必要があれば四角形以上になります。3点が「すべて同じ面の上にある頂点・中点」のような特殊なパターン以外は、四角形〜六角形になると思って手を動かすのが安全です。
Q. 立方体を切ったとき、切断面が正六角形になるのはどんなとき?
立方体の6つの辺の中点をすべて通る切り口のときだけ、正六角形になります。具体的には、3組ある向かい合う面のそれぞれにつき1辺ずつの中点を通り、立方体の中心に対して対称な位置の中点も自動的に切り口に乗ります。中点以外の場所を通ると、六角形にはなっても正六角形にはなりません。
Q. 立体切断で体積を求めるときのコツは?
切断後の立体を「直接体積を求めやすい立体(三角柱・三角すい・直方体)」に分けるのが基本です。代表的なテクニックは「断頭三角柱(上面が斜めの三角柱)の体積=底面積×3辺の高さの平均」「大きな三角すいから小さな三角すいを引く」「立方体から余分を引く」の3つ。比でとらえる訓練(1:6, 1:24, 1:48 など頻出)も役立ちます。
Q. 立方体の切断面に「直角三角形」「正五角形」は出てくる?
どちらも出てきません。立方体は向かい合う面に必ず平行な切り口がつくので、直角を含む3辺の三角形にはならず、五角形になっても正五角形のように5辺すべてが等しい形にはなりません。出てくる形は三角形〜六角形までで、正三角形・二等辺三角形・長方形・正方形・ひし形・平行四辺形・台形・等脚台形・五角形・六角形が範囲です。
Q. 立体切断は何問くらい解けば身につく?
典型問題を 20 問ほど 3D で確かめながら解いて、形パターン(正三角形・正六角形・台形・ひし形・五角形)と体積パターン(1:6, 1:48, 断頭三角柱)にひととおり触れておくと感覚がつかめます。ただし中学受験本番は紙と鉛筆で解く試験なので、3D ツールは切り口の姿を頭の中で思い浮かべるための入り口に過ぎません。3D で感覚をつかんだあとは、印刷用ワークシートで紙に自分の手で図を描き、補助線を引きながら解けるようになるまで反復するのが定着への近道です。本問題集では 33 問を用意しており、難易度順に並んでいるので頭から順に取り組むのがおすすめです。
